吉田愛(セーリング470級)国立音大附属出身のオリンピアン。
今回は、18年世界選手権で日本女子初の金メダル獲得をし、過去の日本トップセイラーの中で最も金メダルに近いと評される吉田愛(よしだあい)さんについてご紹介します。
吉田愛(Ai Yoshida)
生年月日 1980年11月5日
出身地 東京都八王子市
出身校 国立音楽大学附属中学校ー国立音楽大学附属中学校ー日本大学
所属 ベネッセ
きっかけ
両親が趣味でクルーザーを所持していて、父からヨットの基本的操作を教わり、小学校1年生の時にオプティミスト級ヨット(15歳以下の子供だけが乗れる最も小さいクラスのヨット)の体験会に参加したことがきっかけで週末に実家の八王子から三浦にあるセーリングクラブに通いはじめたそうです。一人で海に旅立ち広い海を自由自在に自分の力で走れた楽しさは今でも鮮明に覚えているそうです。
東京オリンピックメダル予想、銅メダル
金メダル 15%
銀メダル 5%
銅メダル 20%
吉田さんは2大会連続で世界選手権でメダルを獲得していていますし、セーリング会場の江の島は小さきころからの練習拠点であり、世界一、江ノ島の波や風に詳しいといっても過言ではない吉田さんがメダルをとる可能性は高いと言えます。江の島なければリオで引退を考えていたほどそうです。しかし、吉田さんの2019年成績は周りが五輪に向け仕上げてきたためあまり成績はよくありませんし、女子の470級はメダルを確実にとる言われる選手が少ないほど実力が拮抗していますし、セーリング大国イギリスのオリンピックでの強さを加味してこの予想にしました。
競技成績
吉田・吉岡ペア、470級成績
2016年 リオ五輪 5位
2017年10月 江ノ島オリンピックウィーク 3位
2018年3月 プリンセスソフィアカップ 1位
2018年9月 江ノ島オリンピックウィーク 1位
2018年10月 セーリング世界選手権 1位
2019年4月 プリンセスソフィアカップ 5位
ライバル
ハンナ・ミルズ/エイリー・マキンタイヤー(イギリス)メダル予想 金
ハンナ•ミルズさんは別の人とコンビを組みリオ五輪で金メダルをとっています。セーリング大国イギリスのカリスマです。エイリー・マキンタイヤーさんとコンビでも2019年世界選手権優勝し、江の島で行われたプレ五輪でも2位に入っています。
自然環境での競技で地の利を得やすい競技ですが、場所を問わずに成績を残しています。
カミュール・ルコワントル/アロイーズ・Retornar(フランス)メダル予想 銀
カミュールさんはリオ五輪の銅メダリストでアロイーズさんは25歳と若い選手です。
2019年世界選手権では、ハンナさんペア、吉田さんペアに次ぐ3位でしたが、 プレ五輪、ワールドカップマルセイユ、470級ヨーロッパ選手権ではハンナさんペアに勝ち優勝を飾っています。
正直女子470級はこの3チームの三つ巴になると思われます。
オリンピックの日程とセーリング470級ルール
予選が5日、メダルレース1日の変則的日程です。3日間競技して1日休んでまた2日間競技で1日休んでメダルレースです。競技は沖でやるので直接は見れないですが、会場内でモニターがあり楽しめるようになっています。
日時:7月29日(水)〜7月31日(金)、8月2日(日)、8月3日(火)12:00ー18:00
会場:江の島ヨットハーバー
・女子470級予選
日時:8月5日(水)14:30-16:50
会場:江の島ヨットハーバー
・女子470級メダルレース
■セーリング 1人または2人乗りの小型ヨットに乗り、海上に設置されたコースを回り順位を競う競技。セール(帆)に沿って流れる風の揚力を推進力として、水上を滑走する速さや技術を競う。
■470級 「ヨンナナマル級」の呼び名で親しまれており、全長4・7メートルの2人乗りの小型ヨットで争う。乗員2人合わせて約130キロが適正体重とされ、小柄な日本人選手向きの種目といわれている。日本は1996年のアトランタ五輪で女子が銀メダル、2004年のアテネ大会で男子が銅メダルを獲得している。引用:産経新聞
10ー12レース行い、順位が高いほど低い得点がつけられます。そして点数の低い10艇がメダルレースを行う。
エピソード1
国立音学大学附属出身
そんなクルーザーを所有している両親の職業は父がギター、母がピアノの先生で、吉田さんは3歳からピアノを習っていました。両親の影響もあり中学・高校は国立音楽大学付属に入学していました。妹はバイオリン、弟はギターとそれぞれ違う楽器を習っていて将来家族で演奏会が開たらいいねという話をしていたそうです。
音楽家になれるほど音楽に自信があるわけではなく、大学進学に悩んでいた時に、父から「そのまま音大に行くよりも、ヨットの道に進んだ方がいいのではないか」といわて、セーリングの名門日本大学に入学しました。
エピソード2
週末の習い事程度で国体優勝
吉田さんは小さい時にピアノ、音楽教室、水泳、バレエ、新体操、学習塾、英会話の習い事をしていたのですが、セーリングもそれらの習い事と同じで高校までは週末に習い事程度に通っているだけでしたが、国体で優勝したそうです。ちなみに運動が苦手で足が早かったりバスケがうまかっりするタイプではないそうです。
セーリングのために生まれて女性って、吉田さんのことだったんですね。
体の調子が悪い時にヨットに乗ると治ってしまうそうです。
エピソード3
謎の風習、3歳になったら自力で高尾山に登らせる?
吉田家では3歳になったら子供に高尾山を自力登らせる謎の風習があるようで、頂上までは抱っこを絶対にしてはいけないそうです。吉田さんに始まり、妹、弟、姪、甥も挑戦したそうです。両親が子供の足腰を強くしたいという思いで始めたらしいです。
全然科学的じゃない。
エピソード4
妊娠中のトレーニングで破水
妊娠中から国立スポーツ科学センターの女性アスリート支援プログラムを受講し、妊娠中も可能な限りトレーニングをしていた吉田さんですが、動きすぎが原因で破水してしまい、そのまま入院して出産したそうで、予定より一ヶ月早い出産になってしまいました。しかし本人的には1ヶ月早く復帰する準備ができ、この1ヶ月が大きかったと語っています。その後復帰戦のワールドカップ蒲郡で2位に入り、2018年には世界選手権優勝を達成しました。
最近は、国立スポーツセンターで女性アスリート支援プログラムや育児サポートを受けられたり、遠征時の子供の旅費や子供世話役母の旅費は日本スポーツ振興センターやセーリング協会、所属のベネッセから支給されるなど、女性に手厚いサポート体制になっているようです。
ご愛読ありがとうございます。
藤稿